未経験から放課後等デイサービスに転職したいと思っても、まず気になるのが、「私でもやれるのだろうか…」ですよね。
正直、発達障害の子どもとたくさん関わってきたわけでもないし、専門的に勉強してきたわけでもない。
そんな自分でも、仕事で通用するのだろうかと心配になってしまいますよね。
そこで、今回の記事では、未経験から放課後等デイサービスへ転職できるのかどうかを詳しく解説。
さらに、転職後に勉強すべきことやキャリアについても触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、未経験から本当に放課後等デイサービスへ転職できるの?
もちろん、未経験からも放課後等デイサービスへ転職することはできます。
- 一般企業の営業職だったけど、社会的に意義ある仕事をしたいと思って放課後等デイサービスへ転職したい
- 専業主婦だったけど、子育てが落ち着いたから、放課後等デイサービスへ転職したい
このように考えて、未経験から放課後等デイサービスを目指す方はたくさんいます。
そして未経験で入社すると、最初は指導員として働くことになりますが、2年経過すれば自動的に児童指導員になることができます。
この児童指導員という資格は2年勤めていれば、誰でも取得できる任用資格なので、未経験から転職する方はまず児童指導員を目指すことになるでしょう。
放課後等デイサービスの仕事内容
放課後等デイサービスの仕事内容は、一言で言えば、障害のある小学生以上の子供たちの生活支援をすることです。
生活を支援するとは、具体的に以下のようなことを指します。
- 日常生活動作(トイレや食事など)を自立をサポートする
- 宿題に取り組めるようにサポートする
- 他の児童とのコミュニケーションをサポートする
- 保護者と連携して、情報共有をする
上記のように、障害を持つ子どもたちが円滑に1日を過ごせるように、成長を促したり、訓練したりします。
放課後等デイサービスの1日のスケジュール
それでは、放課後等デイサービスで働くと1日どんなスケジュールになるのか、図で示してみました。
放課後等デイサービスの仕事が忙しくなるは、子どもたちの授業が終わる午後からです。
送迎に行って事業所に連れてきたら、おやつ提供、学習支援、遊びの支援などを随時行います。
そして、帰りの会、自宅への送迎までは子どもたちと同じ空間で一緒に過ごしていきます。
ちなみに、始業開始から就業時間までぶっ通しで忙しいわけではなく、午後だけ忙しいと思ってもらうと良いでしょう。
かといって、午前中が暇かと言えばそうでもなく、スタッフミーティングや書類作成など、支援のための準備に時間が充てられます。
放課後等デイサービスでもらえる給料は?
未経験から放課後等デイサービスへ転職した際にもらえる給料がどれくらいなのかは、残念ながら明確に調査されているわけではありません。
しかし、厚生労働省の調査(※1)によると、放課後等デイサービスを含む障害福祉サービスで勤務する児童指導員の平均給与は、287,710円とされています。
この給与には、残業手当や通勤手当、役職手当といった各種手当は含まれていないので、月給はもう少し高いことが予想されます。
ただし、未経験の場合、児童指導員からではなく、あくまで指導員からなので、上記の平均給料は入社3年目以降だと認識しておいてください。
逆に、入社2年を経過するまでは放課後等デイサービスにおける平均給与は、最低水準になることを覚悟しておく必要があります。
未経験から放課後等デイサービスに転職するメリットは?
未経験から放課後等デイサービスに転職するメリットは、以下の2つです。
- ノルマに追われず、ゆとりを持って仕事できる
- 子どもたちの笑顔に癒される
ノルマに追われず、ゆとりを持って仕事できる
一般企業では利益を追求するため、一定のノルマを上司から課せられることがありますよね。
数字ばかり追い求めて、目の前の仕事を丁寧にやれなかったり、気持ちに余裕がない状態になったりするでしょう。
しかし、放課後等デイサービスは一般企業ほど利益は求めないので、数字のことを考えずにひたすら目の前の子どもとの関わりに専念できます。
子どもたちの笑顔に癒される
「機械と睨めっこしてきた」「職場内での社内政治に躍起になっていた」など、仕事中に心の休まる時間がない方もいるでしょう。
しかし、子どもたちを相手にする仕事では、クスッと笑ってしまうような微笑ましい瞬間が見られるものです。
もちろん、子どもと関わる仕事も立派な業務なので、やるべきことはきちんとこなさないといけませんが、時々癒されることもあるでしょう。
>>放課後等デイサービスで働くやりがいをまとめた記事はこちらから
未経験から放課後等デイサービスへ転職するデメリットは?
未経験から放課後等デイサービスへ転職すると、デメリットもあります。
それは、「発達障害の支援はそんなに甘くない」ということです。
「障害があるといっても、小学生以上を相手にする仕事だから、自分でも大丈夫かな!」と軽い気持ちで入社される方もいます。
しかし、発達障害の子どもは普通に注意しても言うことは聞けませんし、目を離すとすぐに危険なことをしてしまいます。
放課後等デイサービスに来ていると言うことは、学童で過ごしたり、留守番したりなど、当たり前にできることができない子どもであることを、シビアに捉えておく必要があります。
そのため、子どもが可愛いだけで仕事は務まらず、ある種仕事と割り切って、真剣に向き合うつもりでいた方が良いでしょう。
>>放課後等デイサービスがきついと感じる7つの理由はこちらの記事から
未経験から放課後等デイサービスに転職したら自己研鑽すべし
先ほど紹介したデメリットを解消するためには、自己研鑽が不可欠です。
発達障害児への支援は甘くないと認識した上で、障害の基礎知識や子どもへの具体的なアプローチ方法を勉強すると良いでしょう。
わかりやすいところで言えば、保育士の資格を取るための勉強がおすすめです。
現場で障害児と関わりながら保育士の勉強もすれば、発達障害児への関わり方の理解を深めやすいです。
しかも、試験に合格すれば、一石二鳥となるでしょう。
保育士は大卒程度の学歴があれば、独学で勉強して保育士資格の取得を目指せます。ぜひ、挑戦するつもりでいた方が良いでしょう。
未経験から放課後等デイサービスへ転職した後のキャリア
未経験から放課後等デイサービスへ転職した後は、実務経験を積みながら、必要な資格を取得していくことでキャリアアップにつながります。
例えば、以下の通りです。
- 2年間は下積みで指導員
- 3年目:自動的に児童指導員に職位が上がる
- 6年目:児童発達支援管理責任者(児発管)の基礎研修を受講できる
- 7年目:2年間、みなし児発管として業務
- 8年目:児童発達支援管理責任者の実践研修を受講できる→事業所の責任者へ昇進できる
おおよそ、9年間の働き続けたら、児発管として働くことができるようになります。
そして、放課後等デイサービスの業界では、この児発管がキャリアのゴールと捉えて良いでしょう。
>>放課後等デイサービスでキャリアを築く方法を詳しく知りたい方はこちらの記事へ
そのため、放課後等デイサービスを複数社転職しあるいても、児発管の資格は取ることは可能です。
未経験が放課後等デイサービスを選ぶポイント
未経験が放課後等デイサービスを選ぶ上で、最も大切なことは、研修体制が充実していてそこで働いて専門性が身につくかどうかです。
なぜなら、実務経験だけ積んでも、発達障害の知識やアプローチ方法を何も知らないと、その先にキャリアアップに支障をもたらすからです。
例えば、経験年数だけ多くて、何にも教えられない人が児発管をやっていたとしたら、職員にも子どもにも良い影響はないですよね。
そのため、最初に務める放課後等デイサービスでは、専門性が身につくかどうかの視点で選ぶべきです。
そのほかにも、放課後等デイサービスを選ぶポイントはいくつかあるので、転職者向けの放課後等デイサービスの選び方の記事をご覧になってください。
今回の記事は、放課後等デイサービスへ転職したい時に、「職場の選び方をどうしたら良いのか?」を詳しく解説する内容となっています。 イツキ この記事を書く私は、放課後等デイサービスでの勤務歴5年の保育士です。現在、業界内の転[…]
転職を成功させたいなら、転職エージェントの活用は鉄則
未経験の分野に転職すると、何が正しいのかわからない不安が募り、早く転職先を決めたいと思ってしまうものです。
しかし、転職が目的化すると、転職後にどんな働き方を実現させたいのか?その希望を忘れてしまうかもしれません。
そのため、転職エージェントと面談を重ねて、自分の転職の軸はなんなのか?絶対に譲れない条件はなんなのか?をよく考えるようにしてください。
実際に、放課後等デイサービスの中にも、ブラック企業はたくさん紛れ込んでいます。
ぜひ、そんなブラック放課後等デイサービスには搾取されないように、転職エージェントと相談しながら良い職場を見つけてください。
まとめ:未経験から放課後等デイサービスへの転職はできる!
結論、未経験でも放課後等デイサービスへの転職は十分可能です。
しかし、未経験からだと単なる指導員からのスタートなので、給料が安くなってしまいます。
そして、専門性を身につけるためには、研修体制の充実した会社に行くべきです。
これから放課後等デイサービスの業界でキャリアを積もうと思っている人こそ、若い時に自身の専門性を高めるべきしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。