【調査】療育保育士を辞めたい5つ理由と解決方法を紹介!

療育保育士は、一般的な保育以上に専門性を問われ、常に緊張を持たなくてはいけない仕事です。

しかし、「想像以上に仕事がきつくて辞めたいな…、普通の保育の方が楽だな…」と思うことはありませんか?

発達障害のお子さんを支援したいと志して、この業界に入ってみたものの、想像以上にしんどいことが多いはずです。

そこで、今回の記事では、療育保育士の方にアンケートをご協力していただき、どんな時に辞めたいと感じるのか、調査してきました。

イツキ

私も、児童発達支援で、保育士として働いていたことがあります!

私自身の経験も交えて、療育保育士の辞めたい理由と、辞めたい時の対処法まで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 療育保育士という名前の職種はありませんが、本記事では発達障害を持つ子どもを対象に保育をしている方を、療育保育士としています。
  • アンケートは、クラウドワークスで募集しました。

療育保育士を辞めたい人は多い

普通の子どもではなく、障害を持つ子どもを対象した保育士になる方は、一般的な保育士よりも志が高く、勉強熱心で真面目な方が多いです。

しかし、働いてみてからその大変さを痛感する方が多く、Twitterでは以下のようなつぶやきが多くみられました。

常々辞めたい…と思っている療育保育士の方が多いようですね。

では、なぜそんなに辞めたいのか、次の章から深掘りしていきます。

療育保育士を辞めたいと思う理由①業務量に給料が合わない

1つ目の辞めたい理由は、業務量に給料が合わないことです。

この理由は、最も多くの理由であり、アンケートでは以下のように寄せられていました。

アンケートより

25歳女性、放課後等デイサービス
仕事内容と給与面が合わない面、職員数が足りない面で辞めたいと感じます。

子ども達がいる時間は、常に肉体労働でそれ以外の時間も保護者対応や送迎で、慌ただしく動いている時間がかなり多いです。

事業所にもよると思いますが、この業界はどの施設も給与が低くやりがい搾取だなと感じることも多いです。

そのため、職員数も少なく、退職者も多くなり、皺寄せがかなりきついです。

発達障害児を相手にする仕事は、とても重労働であるにも関わらず、給料が安い現実があります。

しかも、普通の保育よりも高い専門性が必要であるにも関わらず、一般的な保育士よりも給料が低いこともあるのです。

アンケートでもあったように、「発達障害児の支援を志す人のやりがいを搾取している」と思う方が出てきても仕方ないでしょう。

療育保育士を辞めたいと思う理由②日々暴力を受ける

2つ目の理由は、子どもから日々暴力を受けることです。

アンケートでは、以下の不安を寄せてくれる方がいました。

アンケートより

33歳男性、放課後等デイサービス
暴力的なトラブルが発生した時に、上手く子供を落ち着かせる事ができない時には辞めたくなります。

攻撃を受けて怪我をした時には、本当に辞めようと思いました。

骨折などの大きな怪我ではなかったですが、眼鏡が壊れたりして、その修理費費用も自腹でした。

仕事上で壊れた物を自腹で直していたら出費は大変です。

また、本当に怪我をした時に労災だけで生活していけるのか本当に不安です。

上記のように、うまく子どもを落ち着かせることができなくて、結果的に暴力を受けてしまう職員がいます。

力で止めようとしても、虐待を疑われるので、絶対に手を出すことはできません。

かといって、目の前で暴れている子どもにどうすることもできずに、怪我してしまうことがあります。

こちらとしては一生懸命対応してるのに、怪我の治療費やメガネの修理代が一切支払われないと、報われなさを感じるようですね。

イツキ
子どもから何か被害を受けたときに、会社として何かサポートしてくれたら、「また頑張ろう!」と思えるのですが…。
やはり、子どもから受けた被害は、「そういうもんでしょ?我慢して」と放置されていることも多いです。

療育保育士を辞めたいと思う理由③知識が足りない

3つ目の理由は、療育の知識が足りないことです。

療育は、普通の保育よりも、発達障害に対する知識が欠かせません。

しかし、アンケートでは、知識が十分ではないために、対応に苦労している保育士がいることがわかります。

アンケートより

29歳女性 保育園
辞めたいと感じたことはありませんが、発達障害児の予測できない行動、脱走、突発的に他児を傷つけてしまう行動がありました。

それを止められなかったり、行動やその子の思いを汲み取って未然に防ぐことができなかった時には怪我をさせてしまった子、してしまった子、保護者に対してとても申し訳なく感じて疲弊してしまうことがありました。


30歳女性 放課後等デイサービス
物を投げられたり、叩かれたり、中傷の言葉を受けたりした時は少し思いました。

自分の力量を物凄く、問われ引き出しがないのに苦戦した記憶がありました。

あと、支援級のお子さんは言葉の意味が分からずに暴言を吐いてしまうことが多く、それは分かっているのですが傷つくことが多かったです。

でも、傷ついてない雰囲気を出して仕事に当たるのが辛かったです。

療育の知識があれば、穏やかに対処できることが現場では多いものです。

知識は、自分の支援の引き出しを増やすことであり、多ければ多いほど余裕を持って働くことができます。

イツキ
アンケートでは、自分の知識のなさを責めている保育士の方が多かったです。
しかし、そもそも仕事に必要な知識は、職場がしっかり研修をしなくてはいけません。
そのため、あまり自分だけが悪いとネガティブになる必要はないでしょう。

療育保育士を辞めたいと思う理由④怪我と事故が多い

4つ目の理由は、子どもの怪我と事後が多いことです。

アンケートでは、以下のように日々の緊張感で疲労困憊の方がいました。

アンケートより

35歳女性 乳児院

緊張感ある毎日で、自分の目の前で子どもが怪我をしたり、事故を起こしてしまった時には、とても自分を責め、辞めたいと思ってしまいます。

チームで子どもを見ていくので、全てが個人の責任ではありません。

職場全体で事故の事を考え、再発防止に努める環境なら、続けていけそうですが、そうでなければ、職場環境によっては、立ち直れない事もあると思います。

発達障害の子どもたちは、いつ何をするのか、保育士であっても予測ができません。

そのため、働く側としては、常に緊張感を張り巡らせて、仕事をする必要があります。

そうしていても、事故や怪我はつきものです。

職場環境が事故再発防止に努めるなら良いものの、一人のスタッフに責任を押し付けるところであれば、精神的に立ち直れないこともあるでしょう。

療育保育士を辞めたいと思う理由⑤保護者対応がストレス

5つ目の理由は、保護者への対応がストレスなことです。

アンケートでは、以下の声が寄せられていました。

アンケートより

29歳女性 児童発達支援センター
一人で多くの子どもを担当しなくてはならず、一人一人の目標設定や経過の記録、達成度合いなど記録することが多くあり事務仕事に追われてしまいます。

実践では、通常発達児と違って、指導内容にすぐに飽きてしまうので展開の工夫が必要になります。

その日その時で興味も違い、臨機応変に指導方法を変えていくことも必要で頭が混乱してしまいます。

必死でやっていても療育に来ている意味がないと言われ、通園を辞めたいと保護者からの申し出があった時は、私が担当じゃなかったら辞めることはなかったのかもしれないと思うと辛く辞めたくなります。

利用するたびに、毎回クレームをつけてきたり、連絡帳にたくさん文章を書いてきたり、対応に困る保護者もいます。

こちらとしては意図があってやっていることなのに、完璧に保護者の望むようにできていないと、結果的にダメな療育だとレッテルを貼られてしまうのです。

療育の世界にも、モンスターペアレントは、確かに存在し、自分の要求を押し通そうとする傾向にあります。

療育保育士が辞めたい時の解決方法3つ紹介

療育保育士を辞めたいと思った時には、以下の3つのうちどれかを実践してみてください。

  • 不満に思っていることを相談する
  • 療育の知識を増やす
  • 転職活動をする

それぞれを、詳しく紹介していきます。

不満に思っていることを相談する

上司との関係が良いのであれば、不満に思っていることを相談してみると良いでしょう。

あなたが困っていることを理解できれば、働き方を見直してくれるかもしれません。

ただし、辞めたいことをストレートに伝えると、ほとんどの確率で引き止められるので、引き止められない理由を伝える必要がありますよ。

》引き止められない退職理由をまとめた記事はこちら

療育の知識を増やす

療育の知識を増やすことで、仕事で困っていることのほとんどを解決できます。

知識がないばかりに間違った支援をしまっては、子どももスタッフも疲れ果ててしまいます。

職場で研修が行われていない場合は、自主的にセミナーに参加したり、参考書を購入したりして、自己研鑽する必要があるでしょう。

転職活動をする

療育保育士を辞めたいと思う原因は、職場環境によるものです。

給料の低さや子どもへの対応の仕方も、職場の待遇や研修体制がよければ、問題にもなりません。

あなた個人の実力不足や性格の問題ではないので、環境を変えるのが一番効果的であることを知っておきましょう。

療育保育士を辞めたいと思ったらすぐに退職せず、まずは転職活動を!

先ほどあげた3つの解決方法のうち、一番のおすすめは、転職活動です。

何も、「今すぐ退職して違い職場へ行け!」と言っているのではありません。

転職活動をすることで、自分の置かれた立場を客観視することができるのです。

例えば、他社の面接を受けてはじめて、自分の市場価値を知ることになります。

「自分が今職場で何をすべきかなのか?」それとも「今すぐ辞めるべきなのか?」を判断できるようになるので、ぜひ転職活動を始めましょう。

今の状況が辛くて、職場に行くのもしんどい場合は、退職代行を使って逃げるのもアリです。
実際に、バックレのが嫌で、退職代行を使って正式に退職した保育士の方も過去にいますよ。

療育保育士におすすめの転職エージェント

療育保育士が転職するなら、以下の2つのエージェントに登録しておく良いです。

  • 保育士バンク!
  • リクルートエージェント

保育士バンク!

保育士バンク!は、業界大手の保育士向けの転職エージェントです。

療育の分野で活躍したいのあれば、給与・研修体制が充実した職場を探す必要がありますが、一人ではなかなか見つけにくいこともあります。

保育士バンク!のキャリアアドバイザーが、地域の療育事情に踏まえた求人を提案してくれますよ。

保育士バンク!の登録はこちらから

》保育士バンク!の口コミを調査した結果はこちらの記事から

リクルートエージェント

療育にこだわらず、異業種転職を考えるなら、最大手のリクルートエージェントがおすすめです。

一般的に、異業種への転職だと、書類通過率がグッと下がります。

だからこそ担当者と「どの業界に転職したいのか?」を戦略を練っておく必要があります。

そのため、リクルートエージェントにまず登録しておいて、自分がどんな業界に転職するのかキャリア面談しておきましょう。

リクルートエージェントの登録はこちらから

まとめ:療育保育士を辞めたいと思ってもあなたのせいではない!

ここまで、療育保育士を辞めたいと思う理由とその解決方法を詳しくお伝えしました。

辞めたい一番の理由は、業務量に給料が見合わないことでした。

給料の低さは、一従業員にはどうすることもできないため、最終的に転職活動を行うことになります。

今すぐ、退職しなくても、転職活動をすることで自分の市場価値がわかるので、「今自分が何をすべきなのか?」が見えてくるはずです。

ぜひ、本記事を参考に、自分の働き方を考え直すきっかけにしてみてください。