将来の夢だった保育士が「なるもんじゃない」となぜ言われる?

「保育士なんてなるもんじゃない…」と多くの保育士になった大人が一度は思う言葉です。

保育士は子どもの成長を一番近くで見届けられるキラキラした仕事だったはずですが、どうして「なるもんじゃない」とまで言われてしまうのでしょうか?

イツキ
正直、私も保育士をしているので、「保育士なんてなるもんじゃない」と思ったことが何度もありました!
そこで、今回の記事では、保育士がどうしてならない方が良いと言われているのか、その理由を5つに分けて徹底深掘りします。
現在保育士をしていて、自身の置かれた状況に不満がある方は共感できること間違いなしですよ。
ぜひ、ご覧になってください。

将来なりたい職業は常に上位。でも、保育士はなるもんじゃない…

突然ですが、あなたの子どもの頃の夢はなんでしたか?

多くの調査結果によると、保育士はいつも上位に入る人気の職業のようです。

例えば、第一生命の調査(2020年)では、小学生がなりたい職業ランキングで第3位にノミネートされています。中学生でも6位です。

また、進研ゼミの調査(2021年)では、小学生がなりたい職業として保育士は第5位。

ソニーの調査(2021年)では、中学生が第7と、どの調査を見てもみんなが憧れる職業であることがわかりますね。

一方で、保育士という職業を語る上で見逃せないデータがあります。

厚生労働省の報告(※1)では、2019年時点で保育士登録者数は、159.8万人いるにもかかわらず、常勤換算ベースの従事者数は58.8万人に留まっています。

一方で、実際に働いていない潜在保育士は、95.3万人報告されています。

さらに、『平成30年雇用動向調査結果の概況』によれば、毎年約8万人の保育士が退職していることもわかってきました。

そして、退職した保育士の中には、潜在保育士に流れる人も一定数いることでしょう。

このように、せっかく保育士の資格を取っても、働いている人の方が珍しい状況に逆転してしまっているのです。

それにしても、なぜ、憧れの保育士になったにも関わらず、その半数以上が保育士をしていないのか…

それは、「保育士になるもんじゃない」と言われる理由に繋がります。

次の章から、深掘りしていくので、下へスクロールしてください。

(※1)出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取り組み」

保育士になるもんじゃないと言われる理由①職場の人間関係

保育士になるもんじゃないと言われる1つ目の理由は、職場の人間関係につまづく人が多いことです。

平成30年度東京都保育士実態調査報告書によると、保育士を辞めた一番の理由に「職場の人間関係(33.5%)」と報告されています。

ただ、「人間関係が悪いのは保育士に限ったことじゃないよね…」と思うかもしれませんが、それは半分正解です。

ある研究(※2)によれば、保育士における人間関係の問題に一番悪影響を与えるのは、保育観の不一致だったとも言われています。

管理職や先輩、後輩でそれぞれ保育観が異なり、意見が食い違うとストレスを感じるのは保育士なら誰しも経験があるでしょう。

本来は、職員研修で園全体としての保育方針をみんなで共有し、一貫性ある保育を実践すべきです。

しかし、実際は現場の保育士に裁量が委ねられる部分も多く、どのように子どもに接したら良いのか…と悩む保育士はたくさんいることでしょう。

(※2)出典:保育士におけるバーンアウト傾向に及ぼす要因の検討

保育士になるもんじゃないと言われる理由②給料が安い

保育士になるもんじゃないと言われる2つ目の理由は、給料が安いことです。

「給料が安い」は、先ほど紹介した退職した理由第1位の「職場の人間関係」に次ぐ、第2位(29.2%)となります。

保育士の平均年収について確認してみると、令和元年度賃金構造基本統計調査では、363.5万円とされています。

一方で、全産業の平均年収は500.7万円なので、保育士は他の職種よりも年収150万円ほど低いです。

お世辞にも、給料が良いとは言えないのが現実でしょう。

ちなみに、佐賀県や福島県、山形県などの地方に至っては、保育士の平均年収は300万円を下回っています(※3)。

いくらやりがいを持って保育士をやっていたとしても、給料の低さはずっと付きまとう問題なので、ふと振り返ると自分の給料の低さに落ち込みやすいです。

(※3)出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

保育士になるもんじゃないと言われる理由③肉体労働がきつい

保育士になるもんじゃないと言われる3つ目の理由は、肉体労働がきついことです。

保育士は「子どもを抱く」「子どもの目線まで下がる」など、体を上下に動かすことが多く、肉体労働中心の仕事です。

そのため、適切に自分の健康管理をしていなければ、肩や腰が痛みやすくなります。

しかも休みたい時に休めない実情もあるので、痛みが慢性的になってしまいかねません。

また、以下の表を見てみると、年齢を重ねていけば、保育士をやっていない人の方がかなり多いことがお分かりいただけるでしょう。

保育士登録者数 勤務保育士数 勤務していない保育士数 割合
55〜59歳 87,936 19,368 68,568 78.0%
50〜54歳 106,244 31,631 74,613 70.2%
45〜49歳 101,876 33,356 68,520 67.3%
40〜44歳 114,811 36,312 78,499 68.4%
35〜39歳 145.249 46,129 99,120 68.2%
30〜34歳 163,623 61,386 102,237 62.5%
25〜29歳 220,543 95,425 125,118 56,7%
 〜24歳 157,002 96,278 60,724 38.7%

出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

表を見ての通り、年齢が上がるにつれて、保育士を辞めている人が多いことが明らかにわかりますよね。

また、40代、50代になれば身体的にキツくなるので、保育士をやっていない人の割合は70%に到達するようです。

このように、肉体労働のキツさから一生保育士をし続けることは現実的ではないのかもしれません。

イツキ
ちなみに、「保育士は感情労働だ!」と主張する人もいますよ。
自分が辛くても子どもの前では笑顔で過ごし、主任の機嫌を損ねないように仕事するのが保育士です…。

保育士になるもんじゃないと言われる理由④事務作業が多い

保育士になるもんじゃないと言われる4つ目の理由は、事務作業が多いことです。

保育士の仕事は、子どもと遊ぶだけではなく、連絡帳や保育日誌の記載、保育計画の作成など事務作業が実に多いです。

子どもと関わりたくて保育の仕事を選んだはずなのに、想像とは異なる大量の事務作業は、ストレスしかありませんよね。

特に、新人保育士ほど子どもと接する時間を多くして、日々の保育実践とその振り返りをやりたいものです。

このように、想像以上の事務作業によって、理想の保育実践ができずに、苦しむ保育士が多いです。

保育士になるもんじゃないと言われる理由⑤精神的に病む

保育士になるもんじゃないと言われる最後の理由は、保育士は精神的に病みやすい仕事であることです。

実は、保育士は一般成人女性に比べて、2倍以上の割合でメンタルが病んでいるという驚きの研究結果(※4)があります。

特に、新人保育士については、4割近くがメンタルを病んでいて、10人に4人という結果です。

とは言っても、現場の保育士は、目の前の子どもたちに病んだ表情を見せられないので、明るく元気に振る舞います。

しかし、心はとても疲れが溜まっていて、帰宅後に倒れるように寝てしまったり、最終的にはうつ病や適応障害になってしまう保育士は本当に多いです…。

(※4)出典:保育士のメンタルヘルスに関する研究

理想の保育士をやりたいなら、ホワイト保育園へ転職すべし

多くの保育士は、理想の保育を実践したいと心の中で思っています。

しかし、毎年8万人以上の保育士が離職して、その一部が保育士すらも辞めてしまう実情です。

離職数が物語るように、それほど理想の保育を実践することが難しいということでしょう。

では、なぜ理想の保育ができないのでしょうか?

実は、「理不尽な仕事量で労働時間が長いような余裕のない施設では、保育士が理想とする保育理念や方針の実現は難しい」ということが複数の研究(※5)で言われているのです。

ということは、理想の保育士を目指したいのであれば、適切な業務量で給与が高く、人間関係も良好なホワイト保育園に転職するしかないということになります。

ちなみに、2021年から国の方では、保育士の人手不足を解消するために、優良転職エージェントを定めています。

国が利用するように推奨している認定エージェントなので、理想の保育実践を求める保育士の方は、ぜひ利用を検討してみましょう。

ホワイト保育園に転職するのに登録必須サイト5選はこちら

(※5)出典:潜在保育士のキャリア研究

保育士にこだわらないなら、異業種へ転職すべし

もし、保育士で仕事することにこだわりがないのであれば、異業種へ転職することもありでしょう。

例えば、おしゃれに強い保育士ならアパレル業界に転職したり、保護者対応が得意だった保育士はコミュニケーション能力が問われる営業職に転職したりするのもおすすめです。

保育業界の給料の低さを踏まえれば、どの業界に転職しても、今より年収が上がることは間違いないでしょう。

あとは、心からやりたいと思えるかどうかにかかってきます。

ただし、今まで保育士しかやってこなかった人からすると、「どうやって転職活動すれば良いのか?」「保育士という職歴をいかにアピールすれば良いのか?」に迷ってしまうものです。

しかし、今は転職エージェントに登録して転職活動をすすめることが主流になっています。

保育士からのキャリアチェンジは普通によくあることなので、ぜひ転職エージェントに相談してみましょう。

異業種に転職したい保育士が登録すべきサイトはこちら

確実に転職を成功させたいなら、エンジニア転職がおすすめ

転職エージェントを活用したとしても、保育士が苦労する点として、保育士以外の資格・スキルがないことがあげられます。

今までは、「保育士」があることで、どの保育所に行っても、とりあえず働くことができました。

しかし、異業種を狙うなら、「保育士」だけでは、どことなく心細いですよね。

そこで、おすすめなのが、プログラミングスクールで確実にスキルを身につけてから転職することです。

今や、転職サポート付きのプログラミングスクールが増えてきており、ほとんどのスクールで転職成功率が90%を超えています。

しかも、令和元年度賃金構造基本統計調査によると、エンジニアの平均年収は568.9万円と保育士の平均年収と比べて200万円も高いです。

スクール代はかかりますが後からいくらでも回収できる上に、保育士として働いていて大変だったことが嘘のようになくなることでしょう。

イツキ
ちなみに、私自身も2018年にプログラミングスクールのTechAcademyを受講して、個人でアプリゲームをリリースできるようにまでなりましたよ。

お金がない保育士がエンジニア転職するための穴場スクールはこちら

まとめ:保育士はなるもんじゃないと言われる理由は色々

ここまで、保育士になるもんじゃないと言われる理由を5つに分けて深掘りしました。

保育士は子ども成長を間近で感じ、子どもや保護者からも感謝されるので、やりがいに溢れる仕事です。

しかし、職場の人間関係や給料の安さ、肉体労働のキツさなど、保育士として働き続けるのが厳しい現実もあります。

もし、あなたが保育士としてのキャリアを貫き、理想の保育士を目指したいのであれば、結論ホワイト保育園に転職する必要があります。

一方で、保育士として仕事するのにこだわりがなければ、異業種にキャリアチェンジするのもアリでしょう。

ぜひ、この記事をきっかけに、「私はどんな保育士を目指しているのか?」「一生、現役で保育士を続けていきたいのか?」など、将来のビジョンを考えてみてください。