- 子どもが好きで保育士になったけど、なんだか燃え尽き症候群になったみたい
- やる気が出ないし、子どもが可愛いと思えない
- 保育士に向いてないかも…毎日心が疲れてどうしようもない
あなたは、上記のように保育士として働きながらも、なんだか燃え尽きたような感覚を覚えたことがありませんか?
- 保育士の燃え尽き症候群は、具体的に何を言うのか?
- 保育士の燃え尽き症候群の原因は何があるのか?
- 保育士の燃え尽き症候群の対処法はあるのか?
- 燃え尽き症候群にならない職場はどんなところなのか?
今回の記事を読めば、上記の疑問を全て解決できます。
あなた自身が燃え尽き状態かどうかを確認することもできますので、ぜひ最後まで記事をご覧になってください。
- 1 燃え尽き症候群について簡単説明【保育士にもあるの?】
- 2 保育士の燃え尽き症候群にも3種類ある
- 3 燃え尽き症候群の保育士の特徴①心の疲れがひどい
- 4 燃え尽き症候群の保育士の特徴②仕事へのやる気が下がっている
- 5 燃え尽き症候群の保育士の特徴③子どもをモノのように扱ってしまう
- 6 そもそも、保育士が燃え尽き症候群に陥る原因は?
- 7 保育士が燃え尽き症候群にならないための対処法
- 8 燃え尽き症候群にあまり意味がない対処法もある
- 9 保育士が燃え尽き症候群を根本解決するためには、職場を変えるのが1番早い
- 10 どんな職場だと燃え尽き症候群にならない?
- 11 燃え尽き症候群になりにくい職場を見つけるには、転職エージェントがおすすめ
- 12 燃え尽き症候群を防げば、理想の保育士になることはできる!
- 13 まとめ:燃え尽き症候群の保育士は自分の現状をよく振り返ろう!
燃え尽き症候群について簡単説明【保育士にもあるの?】
燃え尽き症候群(別名:バーンアウト)とは、それまで熱心に働いていた人がモーターが焼き切れたかのように、仕事に対する意欲が低下する状態を言います。
1990年代に注目され始め、看護師や教師、介護士など対面援助職に多いとされてきました。
しかし、今や保育士も例外ではありません。
2010年以降から保育士における燃え尽き症候群を調べた研究が増えてきており、実に保育士の1~2割は燃え尽き状態に陥っている可能性が示唆されています。(※1)
また、Twitterを見てみると、燃え尽き症候群に陥っていると思われる保育士がたくさんいることがわかります。
子ども可愛くないし担任も持ってないのにこんなに嫌だからとことん保育士向いてねえ
— 保育士辞めたいちゃん (@nanyfR0GnhNkUen) August 24, 2021
仕事やめたいなー。保育士やめるか職場変えるか。
保育の仕方が合わない人と組むのはつらい。仕事がつまらないー。
楽しく仕事したいなー。— Chihitter (@Chihitter) June 16, 2019
保育士として働いてはいるものの、やりがいを持って楽しく働けていない人も多いようです。
では、「燃え尽き症候群は具体的にどんな状態なのか?」を次の章からお伝えします。
保育士の燃え尽き症候群にも3種類ある
保育士の労働問題を調べた研究(※2、3)によれば、燃え尽き症候群は以下の3つに細かく分けられます。
- 情緒的消耗感
- 個人的達成感の後退
- 脱人格化
※久保・田尾のバーンアウト尺度(1992年)より
もっと噛み砕くと、以下のように言い換えることもできます。
- 体の疲れよりも心の疲れの方がひどい状態(情緒的消耗感)
- 仕事へのやる気が下がっている状態(個人的達成感の後退)
- 子どもをモノのように扱ってしまう(脱人格化)
それでは、それぞれの燃え尽き症候群の状態をさらに、詳しく見ていきます。
(※3)出典:保育士のストレス要因に関する研究ー職場でのストレス要因・個人的ストレス要因に着目してー
燃え尽き症候群の保育士の特徴①心の疲れがひどい
燃え尽き症候群に陥っている保育士の1つ目の特徴は、体よりも心の疲れの方がひどい状態です。
具体的には、以下のような状態を指します。
- 体も気持ちも疲れ果てたと感じる
- 仕事のために心にゆとりがなくなったと感じる
- 1日仕事が終わると、「やっと終わった」と感じる
ある労働環境を調査した研究(※2)では、保育士の3割以上が心にゆとりのない状態で仕事していることが明らかになりました。
このように、燃え尽き症候群の一つ目の特徴としては、体よりも心のほうが疲弊している状態を指します。
燃え尽き症候群の保育士の特徴②仕事へのやる気が下がっている
2つ目の特徴は、仕事へのやる気が下がっている状態です。
具体的には、以下のような状態を指します。
- 保育の仕事は自分に合っていると思えない
- 保育の仕事が楽しいと思えず、時間が長く感じる
- 保育の仕事に心から喜びを感じることができない
上記のような状態に陥っている保育士も、現場では多いです。
「今日の仕事も楽しかった!」「〇〇君が成長してくれて、本当に嬉しかった!」といった仕事への喜びを、あなたは感じることはできていますか?
もしそうでなければ、あなたは仕事へのやる気が下がっている状態です。
つまり、燃え尽き症候群に陥っていると言えるでしょう。
燃え尽き症候群の保育士の特徴③子どもをモノのように扱ってしまう
3つ目の特徴は、子どもをモノのように扱ってしまうことです。
具体的には以下のような状態を指します。
- 同僚や子ども、保護者の顔を見るのも嫌になる、話したくもない。
- 保育の仕事は自分にとって意味のないことに思える
- 保育の仕事がつまらなくて仕方ない
ある労働環境を調査した研究(※2)では、保育士の2割が上記の状態に陥っていると言われています。
なお、「脱人格化」は、元々マジメで熱心に邁進していた保育士ほど、陥りやすいです。
そもそも、保育士が燃え尽き症候群に陥る原因は?
そもそも、どうして保育士が燃え尽き症候群になってしまうのか、その根本原因について考えてみましょう。
実は、燃え尽きるのは保育士個人が悪いのではなく、劣悪な労働環境が保育士を燃え尽きさせていることがたくさんの研究でわかっています。
研究(※1)で明らかにされている労働問題は、以下のとおりです。
- 時間外の週5日以上の持ち帰り仕事
- 休憩時間がないこと
時間外の週5日以上の持ち帰り仕事
残業代がもらえずに、週5日以上(休日も含む)も、持ち帰り仕事をしている保育士は、燃え尽き状態に陥りやすいと言われています。
しかも、その持ち帰る仕事内容が、制作物や広報、教材作りなど本来業務中にやるべきことの場合は、より一層の燃え尽き症候群になりやすいです。
ちなみに、持ち帰り仕事の内容が、保育の自主研究だった場合は、自身のスキルアップにつながるため、ストレスに感じにくいとされています。
ただし、保育の専門性を高めるために仕事を持ち帰る保育士は全体の1割に満たない現状です。(※1)
休憩時間がないこと
休憩時間とは、子どもと一切関わらずに、純粋に体を休めることができる時間です。
本来、当たり前に取るべき休憩時間を15分も取れない状態の場合は、燃え尽き症候群になりやすいと言われています。
このように、燃え尽き症候群に陥る原因は、保育士の能力や性格の問題ではなく、職場の労働環境に問題があることは明らかだと言えるでしょう。
(※2)出典:保育士におけるバーンアウト傾向に及ぼす要因の検討
保育士が燃え尽き症候群にならないための対処法
では、保育士が燃え尽き症候群にならないための対処法をお伝えします。
具体的には、以下の3つ挙げられます。
- 問題を見直す
- 過去の経験から工夫する
- くよくよしない
目の前の保育や労働環境の問題から、目を逸らさずに、解決するために行動することが燃え尽きを防ぐ方法になります。
また、何か落ち込むことがあったとしても、くよくよせずに、切り替えるように心がけることも大切です。
燃え尽き症候群にあまり意味がない対処法もある
実は、あまり効果のない対処法として、好きなことをしてストレス発散する方法があります。
例えば、買い物をしたり、旅行に行ったり、現実から目を逸らしてストレスを発散する方法です。
しかし、これらの対処法は一時的なものに過ぎず、燃え尽き症候群の根本解決にはなりません。
ストレスを発散しても、職場に行けば、ストレスの元に晒されるので、同じことの繰り返し。
研究でも、その場しのぎの対処法は、燃え尽き症候群の解決にはならないと分かっています。
そのため、燃え尽き症候群に陥っている場合は、「どうすれば根本解決できるのか?」を考える必要があるのです。
保育士が燃え尽き症候群を根本解決するためには、職場を変えるのが1番早い
燃え尽き症候群を解決には、職場を変えるのが1番早いです。
先ほどもお伝えしたように、あなたが燃え尽き症候群になっているのは、あなたが悪いのではなく、明らかに職場環境が悪いと言えます。
そして、目の前の問題から目を逸らさないことが大切なのは理解できても、持ち帰り仕事の禁止や休憩時間の確保を、現在の職場で実現させるのはトップの意識が変わらない限り難しいでしょう。
変えられるものと変えられないものを分けたときに、変えられるのは自分が身を置く環境です。
そのため、職場を改革するのが難しいのであれば、環境を今よりホワイトなところにすることで、やりがいを持って保育に従事することができるでしょう。
どんな職場だと燃え尽き症候群にならない?
燃え尽き症候群にならないためには、まず労働環境がブラックではないことが、最低限の条件です。
先ほど述べた「持ち帰り仕事」や「休憩時間がない」は、法律違反ですので、こういった職場はまず選ばないことが重要でしょう。
そして、人間関係の歪みの少ない職場であれば、なお良いです。
人間関係に関しては、「そこで働く人の性格に左右されるから入ってみないとわからない…」と諦める方もいますよね。
しかし、優良な会社は誰が先輩になってもきちんと仕事から円滑に回るようにマネジメントしているものです。
例えば、研修が多く知識と実践を高める意識の強い職場は、人間関係のトラブルは少ない傾向にあります。
研修が多い会社では、このズレが少ない傾向にありますよ。
そのため、最低限の労働環境が保障されている職場で、さらに研修も充実していれば、燃え尽きになりにくい職場と言えるでしょう。
法律を守らないブラックな職場は選ばないこと。
その上で、研修が多めな職場を選びましょう!
燃え尽き症候群になりにくい職場を見つけるには、転職エージェントがおすすめ
燃え尽きになりにくい職場選びには、法律を守らないブラックな職場は選ばないこと。
その上で、研修が多めな職場を選ぶことをお伝えしました。
しかし、そのような理想的な職場をどのように見つけたら良いでしょうか?
求人票や各会社のホームページを見ると、いかにも立派な保育実践をしているように思えます。
ただ、「実際は本当なのか?」は、入社しないと確かめようがないですよね。
そこで、おすすめなのが国が公認した優良転職エージェントを活用することです。
保育士不足を受けて、2021年から厚生労働省の方で、保育士と職場のミスマッチを防ぐために国が優秀な保育士向けの転職エージェントを公認し始めました。(※4)
優良エージェントは、保育士が幸せに働くことができる職場のみ提供し、長く働いてもらうように最善を尽くしてくれます。
お金儲けのことしか考えないエージェントもいるので、次の転職先で理想の保育士として長く活躍したいと考えるなら、国公認のエージェントを使ってください。
>>【国が公認した】保育士専門のおすすめ転職エージェント5選
燃え尽き症候群を防げば、理想の保育士になることはできる!
理想の保育士になるには、常に自己研鑽が必要です。
保育に関する参考書を読んだり、保育に関する事例発表をしたりなど、自身の保育実践を高め振り返ることが子どもの最善の利益になることは間違いないでしょう。
しかし、もしあなたが燃え尽き症候群に陥っている場合、自己研鑽する余裕が果たしてあるでしょうか?
おそらくほとんどの保育士は、自身の専門性を高める努力をする余裕が無い状態です。
実際に、燃え尽き症候群の保育士が保育の質を下げていると研究で指摘されているくらい、燃え尽き状態は保育に悪影響しか及ぼしません。
そのため、あなたにもし理想の保育士をまだ目指す気持ちがあるのであれば、燃え尽き状態から脱却するためにすぐ行動に移すことが大切だと言えるでしょう。
まとめ:燃え尽き症候群の保育士は自分の現状をよく振り返ろう!
ここまで、保育士が燃え尽き症候群になる理由やその具体的な症状、そして対処法を詳しく解説しました。
結論、保育士が燃え尽き症候群に陥る原因は、研究で以下の2つが明らかになっています。
- 時間外の週5日以上の持ち帰り仕事
- 休憩時間がないこと
上記から見てわかる通り、保育士が燃え尽き症候群になるのは個人の責任ではなく、職場の労働環境が悪いことが根本原因です。
現在の職場で実践できる対処法もお伝えしましたが、どうしても改善が難しい場合は、転職することが一番燃え尽き状態から脱却しやすいでしょう。
燃え尽きの状態で保育の仕事をしても、保育の専門性は高まらず、子どもたちにも良い影響は及びません。
ぜひ、本記事を通して、現在の働き方について見つめ直す機会にしてもらえたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。