保育士辞めたい…と思う前に持ち帰り仕事を減らそう!理由と対処法

保育士をしていると、持ち帰り仕事が多くて悩んだことはありませんか?

あなたは、週に何日持ち帰り仕事をしているでしょうか。

実は、週に5日以上持ち帰り仕事をしていると、「保育士辞めたい…」と思うのも当然な理由があるんですよ。

そこで、今回の記事では、保育士が持ち帰り仕事が多い理由もその対処法について詳しく解説します。

読み進めるうちに、持ち帰り仕事がいかに保育士のメンタルに悪影響を及ぼすかお分かりいただけるはずです。

また、保育士の持ち帰り仕事の実情について、調べた研究も参考にしながらお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

持ち帰り仕事が多くて辞めたい保育士はたくさんいる!

持ち帰り仕事が多いと、家でも仕事のことばかり考えて、心が疲れ切ってしまいますよね?

Twitterを見てみると、持ち帰り仕事が多くて辞めたいと考えている保育士がたくさんいることがわかります。

多くの保育士が持ち帰り仕事に悩んでいるようですね。

では、「保育士がどうして持ち帰り仕事が多いのか?」その理由を深掘りしていきましょう。

保育士が持ち帰り仕事が多い理由①手の込んだ作業が多い

保育士が持ち帰り仕事が多い1つ目の理由は、保育士の業務は手の込んだ作業がとても多いことです。

例えば、以下のようなものがあげられます。

  • 年間計画などの書類
  • 園・クラス・保健だより
  • 行事で使う小道具や衣装製作
  • 壁面装飾
  • 卒園時に渡すアルバム

しかし、子どもが来園する時間帯に制作物の作業に入るわけにもいきません。

かといって午睡時間は、打ち合わせや保育日誌記入、連絡帳記入など、持ち帰ることができない仕事が優先して行われます。

結果的に、子どもたちが帰った後に制作物に取り掛かり、それでも終わらなければ自宅に持ち帰ることになるのです。

保育士が持ち帰り仕事が多い理由②慢性的な人手不足

2つ目の理由は、慢性的な人手不足であることです。

保育現場は常に人手不足で、保育士全体の離職率は平均して15%と言われています。(※1)

つまり、10人保育士がいたら1〜2人は毎年辞めていくということです。

また、せっかく入社してもそのうち10%1年未満で離職するとされています。(※2)

さらに、保育の離職が後を絶たないために、約160万人の有資格者がいるにも関わらず、実際に働いていない潜在保育士は約95万人以上もいる状況です。(※3)

このように、慢性的な人手不足が影響して、勤務時間内に仕事が終わらずに、持ち帰らざるを得ない保育士も多いでしょう。

(※1)出典:保育サービス業界の動向とカラクリがよ~くわかる本【第4版】
(※2)出典:平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書)
(※3)出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取り組み」

保育士が持ち帰り仕事が多い理由③暗黙の了解

3つ目の理由は、保育士の暗黙の了解があることです。

暗黙の了解とは、例えば以下のような独自ルールのことを指します。

  • 居残りすることが子どものためだ
  • 制作は丁寧にやらないといけない
  • 先輩が帰るまで、付き合い残業しないといけない

居残りを推奨したり、丁寧な制作にこだわったりすることは、時に保育士を苦しめてしまいます。

子どもの最善の利益のために、「本当に必要だ」と、思える仕事を時間内に取り組めるように工夫する必要があるでしょう。

辞めたいと思う前にできることを考えるよう!

持ち帰り仕事が多すぎると、今すぐ職場から逃げたくなる気持ちはわかりますが、ここはグッと堪えて、「今の職場で何ができるのか?」を考えることをおすすめします。

というのも、その場の気分で退職してしまっては、その後の転職活動がうまくいかずに、結果的に結局妥協した職場に行く可能性もあるからです。

よくあるのが、仕事がない期間にどんどん貯金が減り、焦ってブラック企業の内定に落ち着いてしまうことがあります。

そのため、すぐに退職するのではなく、持ち帰り仕事をなくすために何ができるのか?を考えて実践するようにしましょう。

イツキ
次の見出しから、持ち帰り仕事をなくす3つの方法を紹介します!

保育士の持ち帰り仕事をなくす対処法①社内で効率化を図る

保育士の持ち帰り仕事をなくす1つ目の対処法は、社内で効率化を図ることです。

保育の現場では、そもそもそこまで時間をかけなくても良い仕事がたくさんあります。

  • 壁面制作はそんなに丁寧にやるのか?
  • 手作りがそんなに大切なのか?
  • 子どもたちにも手伝ってもらい、制作物を作ってもらえないのか?

少し考えてみると、「そこまでしなくても良いのでは?」と思うことがたくさんあるでしょう。

まずは、職場でどの仕事を減らすことが可能で、どうすればもっと早くできるのか?を共有する時間を持ちましょう。

保育士の持ち帰り仕事をなくす対処法②役割分担をする

持ち帰り仕事のなくす2つ目の対処法は、役割分担を上手に行うことです。

誰でも、得意なことと不得意なことがあります。

ある保育士は、壁面制作が得意。

また、別の保育士は、パソコンのタイピングが早くて書類作りが得意な場合がありますよね。

このように適材適所で仕事をチームで回すことが、業務の効率化の近道となるでしょう。

保育士の持ち帰り仕事をなくす対処法③労働基準監督署に相談する

持ち帰り仕事のなくす3つ目の対処法は、労働基準監督署に相談することです。

持ち帰り仕事に残業代が支払われていない場合、それは労働基準法に違反しています。

そして、持ち帰り仕事の内容や時間を記録しておくと、その証拠をもとに労働基準監督署が、職場に「残業代を支払いなさい」と交渉してくれます。

このように、どれだけ職場に働きかけても、労働環境が良くならない場合は、労働基準監督署にお願いするのが良いでしょう。

全国労働基準監督署の所在案内から、お住まいの都道府県に設置されている労働基準監督署の電話番号へ問い合わせてください。

【目安】持ち帰りの頻度は週に4回まで抑えると良い!

持ち帰り仕事を完全にゼロにするのはなかなか難しいこともあるでしょう。

その場合、目安として、週に4回までの持ち帰り仕事に少なくすることをおすすめします。

なぜなら、週14日までの持ち帰り仕事なら、ストレスもかかることはあっても、仕事へのやる気が失せたり、子どもがかわいく思えなかったりなど、燃え尽きることがなくなるからです。

イツキ
保育士の持ち帰り仕事について調べた研究(※4)によると、週に4日までの持ち帰り仕事なら、ストレスで疲れながらも、燃え尽き症候群になりにくいとされています。

そのため、完全に持ち帰り仕事ゼロは難しくても、せめて週に4日まで少なくなるように工夫すると良いでしょう。

(※4)出典:保育士の職場ストレスに関する研究ー休憩時間・持ち帰り仕事からの検討ー

【深刻】週に5日以上持ち帰り仕事があると、辞めたいのは当然!

もし、あなたが週に5日、または休日にも持ち帰り仕事をこなしているとしたら、「保育士を辞めたい」と思うのは当然です。

実は、先ほど紹介した研究(※4)では、週に5日以上持ち帰り仕事をしていると、燃え尽き状態になりやすいことがわかっています。

「本来は職場でやる仕事なのに…」と毎日不満を抱きながら過ごしていると、子どもと遊ぶのが嫌になり、体は元気でも心が疲弊するようになるのです。

持ち帰り仕事が当たり前の職場にいると、いつの間にか子どもにきつい態度をとってしまったり、自分が鬱になってしまったり…するかもしれません。

元々志が高くマジメな保育士ほど、持ち帰り仕事で心が病んでしまうので、あまりにもひどい場合は退職して別の環境で働くことをおすすめします。

理想の保育士になりたいなら、持ち帰り仕事が少ない職場へ

心が燃えついた状態で保育の現場で関わっていても、喜びを感じられず、良質な保育の実践もできません。

もし、あなたが理想の保育士になりたいと強く願っているのであれば、現在の働く環境を見直すことはとても大切です。

なぜなら、あなたの心が健康でなければ、子どもたちに良い保育を提供できるはずがないからです。

そして、もしあなたが転職を考えているのであれば、持ち帰り仕事がないホワイトな労働環境であることは絶対条件となります。

イツキ
たかが持ち帰り仕事だと思うかもしれませんが、燃え尽きの大きな原因です。
燃え尽き状態の保育士が保育の質を悪化させている(※5)とも言われているので、そのような状態から早く脱却する必要があります。

ただし、求人を見ていても、「本当に持ち帰り仕事がないのかどうか?」を判断できない場合もあるでしょう。

その場合は、国が公認した転職エージェントを活用してください。

保育士と職場のミスマッチを防ぐために、優良な転職エージェントが増えてきていますので、こちらの記事から探してみてみましょう。

>>【国が公認した】保育士専門のおすすめ転職エージェント5選

(※5)出典:保育士のストレス要因に関する研究ー職場でのストレス要因・個人的なストレス要因に着目してー

持ち帰り仕事を辞めたいと思ったら、自分の働き方を考え直してみよう!

ここまで、保育士の持ち帰り仕事が起きる理由とその対処法について詳しく紹介しました。

保育士の持ち帰り仕事が起こる理由は、以下の3つです。

  • 手の込んだ作業が多い
  • 慢性的な人手不足
  • 暗黙の了解

そして、持ち帰り仕事をなくす対処法は、以下の3つでした。

  • 社内で効率化を図る
  • 役割分担をする
  • 労働基準監督署に相談する

上記の対処法を実践して、持ち帰り仕事を週に4日まで減らすことができれば、仕事を辞めたくなるほど、苦しむことは少なくなるでしょう。

一方で、週に5日以上、休日まで持ち帰り仕事に追われている場合は、燃え尽き症候群に陥ってしまう可能性が高いです。

あなた個人で持ち帰り仕事を減らすことができなければ、転職活動をして、別の職場に移ることをおすすめします。

ぜひ、勇気を出して、自分の働き方と生き方を変える行動をしましょう。

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