今回の記事は、現在職場から退職を引き止められている保育士の方向けに、書かれています。
勇気を振り絞って、園長に退職の意思を伝えても、いろいろ理由をつけられて話が前に進んでいない状態ではありませんか?
すでに、退職の意思を伝えていること自体は素晴らしいですが、今後はどのような対策を練って退職に向かえば良いのでしょうか。
そこで、今回の記事では実際に退職に苦労した保育士からアンケート調査を行い、そこからわかってきた2つの対処法を紹介します。
すでに退職の引き止めにあっている保育士の方も、これから退職するつもりの保育士の方も、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
保育士は基本的に人手不足だから、引き止められるのが当たり前
保育士が職場に退職を申し出たら、ほぼ100%引き止められると思っておいた方が良いです。
なぜなら、保育業界は慢性的な人手不足で、いつの時代も有効求人倍率は常に2.0以上と、どの保育園も保育士を欲しがっているからです。
そのため、退職の意思を伝えたら、すんなり「わかりました」と、園長が退職を受理しないと思っておいた方が良いでしょう。
あの手この手を使って、あなたを引き止めに入っているはずです。
したがって、引き止められることを想定して退職理由を考えることが重要になります。
引き止められるのは、”引き止められるような”退職理由だから
すでに退職の引き止めにあっている保育士は、引き止められるような退職理由を伝えてしまっていることが多いです。
例えば、以下のような退職理由を告げると、引き止めにあう可能性があります。
- 給料が低くてやってられないから退職したいです→給料上げるよ
- 保育の方針に疑問があるから退職したいです→話し合って解決するよ
- プライベートも充実させたいから退職したいです→休暇扱いにするよ
- 結婚するから退職したいです→時短勤務にするよ
- いじめられているから退職したいです→他の職員に謝罪させるよ
わかりやすい例で言うと、「給料が低いので退職します」と伝えると、「じゃ、給料あげるよ」と引き止められます。
すると、あなたが退職する理由がなくなってしまいますよね?
このように、引き止める隙がある理由を伝えてしまったら、すんなり退職手続きに移ることができなくなってしまうのです。
本来は、引き止めようのない退職理由を言うべき
具体的には、以下のような退職理由が該当します。
- 結婚で引っ越しします
- 親の介護に専念します
- 海外留学します
- 違う仕事をします
結婚による引っ越しや介護を理由として使えそうなら、積極的に活用すべきで、その場合は園側も無理して止めようと思いません。
ただし、結婚や介護が自分に当てはまらないなら、「違う仕事をします」もおすすめです。
違う仕事をするつもりで、まずは退職という選択をしたと貫き通せば、園側も承諾せざるを得ません。
そのあと、同じ保育士をしたとしても、「異業種を検討していましたが、やっぱり保育士に戻りました」と主張すれば済む話です。
このように、あなた側に完全に原因のある理由を主張することで、園側に引き止めの隙を与えないようにしましょう。
すでに引き止めにあっている保育士は2つの対処法しかない
すでに、引き止めに遭っている保育士は、正直、間違った退職理由を伝えてしまったと言えるでしょう。
そんな保育士が退職するには、以下の2つの方法しかありません。
- 退職の意思を貫き通す
- 退職代行を使う
上記の2つをどちらもやらなかった場合は、園側の要求を飲んでそのまま在籍し続けることになるでしょう。
一度引き止めを受け入れたら、退職するタイミングを見失ってしまいます。
そのため、絶対に退職したいと思うなら、次の章から紹介する対処法を実践してください。
引き止められた保育士の対処法①退職の意思を貫き通す
1つ目の対処法は、退職の意思を貫き通すことです。
園側が折れるまでしつこく退職を押し通すことで、諦めてもらいましょう。
正直、この手法は、とても勇気が必要で、メンタルにダメージがくる手法です。
しかし、私が行ったアンケート結果では、引き止めにあった保育士の10人中8人がこの手法を使っています。
34歳女性、小規模保育園に勤務
3度目の面談を経て、退職届を受け取ってもらいました。押し切った形になってしまいましたが、晴れて退職できました。
31歳女性、小規模保育園に勤務
1週間ほど引き止められた後に、自分の決意は変わらなかったのでお断りしました。「意を消して辞める」と、意見を突っぱねました。とてもつらかったです。
33歳女性、認可保育園に勤務
園長から何度も引き止められていましたが、こちらもすぐに流されないように何度も面談を申し入れ、その都度自分の気持ちを伝えました。繰り返し伝える中で変わらない意志を感じたのか、園長も納得してくれました。
21歳女性、大規模保育園に勤務
体調を崩して勤務や通勤するのが難しいとずっと言い続けました。また精神的にも園に行くのも辛く、どうしても辞めたいですと抗議したところ、相手の園長先生も渋々でしたが折れてくださり、退職することができました。
44歳女性、公立保育園に勤務
「もう、決めたことなのですみません」と返事をしました。私自身、退職をする気持ちはもう固まっていたので、引き留めに一切応じることはありませんでした。自分の気持ちを再度聞いてもらい、納得してもらいました。
上記の体験談から分かるように、一度引き止められるような退職理由を述べたら、どんな条件を出されても退職の意思を貫き通すことが一番のやり方になります。
下手な言い訳をすると、「当初の退職理由と違うじゃないか?」と追求されるので、「もう決めたことのなので申し訳ありません。退職させてください。」と言い続けてください。
一度乗りかかった船だと思って、最後まで退職する意思を示し続ければ、園側も最終的には受け入れてくれるはずでしょう。
引き止められた保育士の対処法②退職代行を使う
2つ目の対処法は、退職代行を使うことです。
実は、アンケート結果によると、引き止められて退職できなかった保育士もいます。
32歳女性、認可保育所
退職したいと一度園長に言った際、「あと何年頑張れば、役職につかせてあげる」「辞められたら困る」など、辞めさせてもらえないような発言や雰囲気が醸し出され、それ以来、あまり退職の話はしない方がいいのかな、と勝手に思ってしまい、自分が結婚して、子供が生まれるタイミングまで待とうと心に決めて、ずるずると8年ほど在籍することになってしまいました。
30歳女性、幼保連携型認定こども園
園長に来年度の継続届けを出す際に、「あと1年は継続しますが、その3月いっぱいで辞めさせてください。」と申し出ました。園長は「みんなの先生達から出た意見については今理事長と検討しているところだから、まだ辞めないでほしい。」と言い、「とりあえず先生(私)の気持ちは理解しました。また来年、継続届を出す時に聞きますね。」と逃げられてしまいました。
上記のように、引き止めにあって、そのまま現在の保育園で働き続けている保育士もいます。
実際は、1つ目の対処法の「退職の意思を貫き通す」やり方が、強引すぎてできそうにない保育士の方も中にはいることでしょう。
その場合は、退職代行を活用するしかありません。
ちなみに、引き止めにあっても退職できた保育士の中には、以下のような感想を述べる方もいました。
退職代行等は使わずに自分で伝えて最終日まで出勤し辞めました。今思うと、そういった制度を利用した方が良かったなと思いました。
上司との関係が退職を伝えてからより一層悪くなってしまったので、とても気まずかったですがやりとげました。
このように、自分の力だけで退職できた保育士でさえも、「退職代行を使っておけばもっと楽だったのにな」と思っているのです。
そのため、退職交渉で気力が持ちそうもない保育士の方は、退職代行の利用を検討してください。
まとめ:退職の引き止めを振り切って人生を良くしていこう!
ここまで、保育士が退職を申し出たら、ほとんどの確率で引き止めにあいます。
しかし、引き止められないような理由で申し出たら、園側がしつこく引き止めることがありません。
逆に、隙のある退職理由だと、給料や労働環境の改善を約束すると言って、あなたを引き止めようとします。
もし、あなたが退職する気持ちに揺らぎがないのであれば、本記事で紹介した対処法を実践して、できるだけ早く退職を決めてくださいね。
最後に、今回紹介した引き止められた時の対処法を載せておきます。
- 退職の意思を貫き通す
- 退職代行を使う